各種お問合せは|TEL.0494-53-1280 FAX.0494-24-9633|〒368-0046 埼玉県秩父市和泉町20番

花輪理事長の独り言

【埼玉】「埼玉県の地域医療を守る会」設立、奨学金返済免除病院の民間病院追加を提言‐花輪峰夫・秩父病院理事長に聞く◆Vol.1

県内の医師不足地域で勤務する医師を中心に結成された「埼玉県の地域医療を守る会」が2022年11月、医師育成奨学金の免除指定病院に民間医療機関を追加することを求めて大野元裕県知事に要望書を提出した。同会の取り組みや発足の背景について、代表を務める花輪峰夫氏(秩父病院理事長)に話を聞いた。(2023年1月19日オンラインインタビュー、計3回連載の1回目)

秩父病院理事長・花輪峰夫氏

――「埼玉県の地域医療を守る会」を発足するきっかけとなった出来事を教えてください。

埼玉県には、県内出身の医学生や指定大学の医学生を対象に埼玉県医師育成奨学金を貸与する制度があります。同制度では医師国家試験に合格後、通常は9年間、県内で医師不足が顕著だとして定められている特定地域の公的医療機関や特定の診療科(産科、小児科、救命救急センター)で勤務すれば奨学金の返還が免除されます。

なぜ公的医療機関に限定しているのか。疑問に思い、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行前の2019年、秩父郡市の有識者が集まり定期開催しているちちぶ医療協議会で埼玉県医療人材課の担当者に質問したところ、後日、書面回答が届きました。回答では、同制度の原資が県民の税金で賄われていることや、公的医療機関は地域医療の中核的機能を果たしており、不採算医療を担っていることが理由だと記載されていました。

これには到底、納得できませんでした。民間医療機関であっても不採算医療である救急医療や若手医師の教育、COVID-19の対応など、地域医療の中核的機能を積極的に担っているところは少なくないはずです。医師不足地域の民間医療機関では特に、医師確保が喫緊の課題です。確保できなければ診療科や診療時間の縮小、最悪の場合は閉院という選択を取らざるを得ません。埼玉県は10万人あたりの医師数が全国で最も少なく、県内のおよそ半分の地域で医師が不足していることからも、大きな問題だと感じました。

COVID-19の影響で数年間動きがとれていませんでしたが、2022年6月、県知事に直接掛け合おうと県の保健医療部を訪問しました。要望を伝えるには、医師会など何らかの団体を通す必要があるとの返答があったため、同志を増やすことを決意しました。

若い医師の教育・研修を担っている施設や地域医療に貢献していると自負している施設であれば、要望に賛同してもらえるのではないかと思い、1日あたり約3人、医師不足特定地域で救急医療を担っている民間病院を中心に、およそ10日間で35施設へ電話をしました。結果、全ての施設で賛同を得ています。

丸木雄一埼玉県医師会副会長や県議会議員の先生方にも賛同いただき、同年11月、提言の場にこぎつけることができました。

こうした流れで「埼玉県の地域医療を守る会」を設立しました。2023年3月までは私が暫定的に代表を務め、その後賛同いただいた先生方と相談して、会の正式な名称や代表者を決める予定です。

――具体的にはどのような提言を行ったのでしょうか。

具体的には、民間医療機関であっても、(1)協力型臨床研修病院である(2)日本専門医機構が指定する19領域の学会専門医修練施設の関連病院または協力病院である(3)救急告示病院である(4)一定数以上の分娩実施施設(診療所を含む、知事が指定した施設)である(5)その他、知事が指定した病院である――の5つの要件のうち1つでも満たせば奨学金免除指定病院とすることを要望しています。また、特定地域は将来的に生活圏や医療機能分担を配慮して決めるよう求めました。

奨学金制度の目的は、医師不足地域・診療科の医師を確保することです。公的医療機関と民間医療機関が共に地域医療を支えていく中で、実態にそぐわない不平等は撤廃してほしいと強く思っています。

――卒業後の勤務が公的医療機関に限られることは、民間医療機関の経営としての問題だけでなく、現場の医師にとっても弊害となりそうです。

埼玉県以外では、原則公的医療機関としつつ特例を設けて民間医療機関での勤務を認めている都道府県もあります。若い医師の成長を考える上でも、選択肢を広げるべきでしょう。

また、奨学金の返済が免除された後も地域に定着してもらうためには、若い医師のモチベーションを保つことが大切です。専門医取得が可能な環境や指導体制の整備が求められます。

――守る会の会員の内訳を教えてください。

賛同いただいた医師からの紹介などもあり、現在は46の医療機関が会員となりました。内訳は、特定地域のうち熊谷・深谷・寄居地域から11施設、行田・加須・羽生地域から3施設、秩父・小鹿野・皆野・長瀞・横瀬地域から7施設、東松山・嵐山・小川・川島・滑川地域から5施設、本庄・美里・上川・上里地域から9施設、久喜・蓮田、・幸手・白岡・宮代・杉戸地域から3施設。そのほか特定地域以外で8施設です。産科医院や療養型病院も一部含まれています。

県知事への提言という第一の目的は達成しており、会員増に向けて積極的な取り組みを継続しているわけではありませんが、仲間を増やしていけるよう呼びかけを行っています。

2022年11月に要望書を県知事に提出

――現在はどのような活動をしていますか。

2022年12月には自民党県議団にも要望書を提出しました。啓発を目的として、Facebookや秩父病院のWebサイトに設置しているブログでも情報発信しています。

県議会の議題に上げてもらうために、やれることはやったつもりです。しばらくは経過を待ちたいと思います。埼玉県医師育成奨学金制度で公的医療機関と民間医療機関に不平等が設けられている問題が審議され、条例の改正に結びつくことを願っています。

公的医療機関と民間医療機関の不平等は、埼玉県のみの問題ではありません。自治医科大学では授業料返済免除の条件として、義務年限の期間、出身都道府県の知事が指定する医師不足地域などの医療機関で勤務することが求められていますが、対象の医療機関は公的医療機関に限定しています。

現在は県内の奨学金制度の変更を求めて会の名称を「埼玉県の地域医療を守る会」としていますが、全国の地域医療を守るために活動していきたいですね。県知事への要望より時間も労力もかかると覚悟していますが、いずれ何らかの機会を設けて、厚生労働省にも要望を提出したいと考えています。


『がん死の撲滅 6』花輪理事長の独り言(第23報)

『がん死の撲滅』
吉田松陰の言葉に「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし、故に、夢なき者に成功なし」という名言があります。松陰に私が勝っているのは、年齢だけですが、『夢』だけは私も見ます(笑い)
ともかくやってみることにしました。
以下の如く、秩父市長と市議会議長に提言することにしました。
知人やFBの友達に、メッセンジャー・メールで「賛同して頂きたい」と呼びかけようと思っています。
提言に際し、賛同者の名簿を添えるつもりです。
以下をご覧いただき、ご賛同頂けた場合は、メッセンジャーで『賛同の意思』を頂きたく存じます。ご賛同頂ける場合は、氏名、できればお仕事、役職等もお願いできると幸いです。
*情報は、今回の秩父市への提言以外には使用致しませんことをお約束いたします
はじめに
日頃より、秩父地域医療の充実、特に秩父市立病院の救急医療に対する貢献に、一市民と
して、一医療者として、心より感謝申し上げます。
日本では、1年間で約 100 万人が、がんに罹患し、約38 万人の方が「がん」で亡くなっ
ています(国立がんセンター・最新統計) *死亡率 38%
一方、新型コロナウイルス感染症の約 3 年間の累計感染者は 3287 万 2969 人、死者数は
7 万 185 人(2023 年 2 月 9 日現在)であります。 *死亡率 0.21%
日本人は一生のうち、2 人に 1 人はがんと診断され、男性は 4 人に 1 人、女性は 6 人に 1
人は、がんで死にます
秩父市においても、40~74歳の死因の約4割が「がん」であります。
日本のがん検診は、昭和 58 年(1983 年)から老人保健法により対策型検診が開始されま
した。当初胃がん・子宮頸がんのみでしたが、順次追加され、平成 10 年に、胃がん、肺が
ん、大腸がん、子宮頸がん、乳がんの、いわゆる「5がん検診」の基盤となる「がん予防重
点健康教育及びがん検診実施のための指針」が策定されました。
その後、乳がん検診はマンモグラフィの導入、胃がん検診に胃内視鏡検査の導入、または
対象年齢の変更等、順次多少の検診内容の改定がありました。しかし、肺がん検診における
胸部単純 X 線撮影の如く、早期発見は無理である検査が、未だ実施されており、医学的に
見て、がん検診に大きな進歩は見られません。
胃がんは、その発生原因がほぼ判明し、予防や個人の胃がん発生リスクの判定も可能とな
ったにもかかわらず、被爆を伴うバリウム透視検査や、多少の苦痛やリスクを伴う内視鏡検
査が行われております。これは、費用対効果の面からも適切ではありません。また、リスク
検診(ABC 検診)が血液採取のみで済む、に対し、簡便性で劣り、受診率の低下にも繋が
っています。
近年、食の欧米化等に伴い、大腸がんが急速に増え続けています。日本人の死因の第 1 位
はがんであることは、周知の通りですが、直近のデータでは、男女総数の 1 位は肺がん、2
位は大腸がんです。女性の死因の 1 位は大腸がんであることは、多くの国民が知らないこ
とと思います。また、「膵臓がん」が増えていることも憂慮すべきことです。
国は「科学的根拠に基づくがん検診実施のための指針」を定め、市町村による実施を推進
しており、秩父市においても、これに沿って検診を実施しております。
現状のがん死の実態を直視すると、「科学的根拠に基づくがん検診」に疑問を感じざるを
得ません。現状の検診の無力さを感じます。
例えば、ピロリ菌感染が胃がんのリスクファクターであることは、数多くの基礎実験、臨
床研究により実証されており、1994 年世界保健機構(WHO)は、ヘリコバクター・ピロリ
を胃がんの確実発がん因子とし、B 型・C 型肝炎ウイルス、ヒトパピローマウイルス、タバ
コやアスベストと同じ、最高の危険性を示す「グループ1」に分類されております。これは
「科学的根拠」であります。
中学生にピロリ菌検査を行い、陽性者を除菌する方法は、すでに複数の自治体で行われ
ています。これを全国的に行えば、20 年~30 年後には、日本から胃がんは無くなるであり
ましょう。
真の科学的根拠に基づき、科学・医学の進歩に即した検診が行われるべきであります。
国もこれは当然承知の上で、多少の指針の改正は行っていますが、大きな改善を行ってい
ません。国は、地域による医療水準の格差や地域的不平等、様々な問題を配慮し、「がん検
診」の方法はそれぞれの自治体の裁量によるとしていることは理解できます。しかし、費用
の問題なのか、官僚組織の慣例・医療行政の体質なのかわかりませんが、国の指針はあまり
にも緩慢で、かつ問題意識に欠けると言わざるを得ません。言い換えれば、「進歩のないが
ん検診の指針」を市町村に丸投げしているとも言えます。私は、国の怠慢と責任回避は否め
ないと考えますが、秩父市として、果たして、現状のままで良いのでしょうか?
すべてを理解した上で、秩父市には、市民のために可能な限り、「科学的根拠に基づく検診」
を実行してもらいたいと思います。
国民の医療費・市民の医療費を考える時、早期発見・早期治療・がん予防がどれ程の医
療費の削減に繋がるでしょうか。働き盛りの人たちが逝ってしまって、どれ程の生産性、エ
ネルギーが失われるのでしょうか。人の未来の喪失と社会全体の損失は想像もつかぬほど
大きなものです。『国策・市策としてのがん対策の充実』は喫緊の課題と考えます。
私の 50 年間の医師人生で、なんと多くの手遅れのがん患者さんを診たことか、悔しくて
なりません。
『現状の「がん検診」は医学・医療の進歩を活かしておらず、がんの発生現状・推移等を
全く考慮していないと言わざるを得ません』
一方、がん検診の受診率は低水準のまま、一向に向上しません。日本のがん検診の受診率
は国際的に極端に低く、目標が 50%にもかかわらず、アメリカ・イギリスの約 80%に比し
て、40%と低迷しています。そして、秩父市の受診率は全国の最低レベルです
『がんは早期発見、早期治療すればまず死なない病気である。原因が判明したがんもあり、
予防も可能となったがんもある』
このことを全市民に知ってもらう必要があります。
国も、地方自治体も、私を含む医療関係者も、市民に最大限の啓蒙活動をしてきたでしょ
うか?
今回、費用対効果と実現性も十分に考慮した上で、喫緊の課題である「大腸がん検診」と
「胃がん検診」について、現状の検査内容の改善、受診率の向上のための試案を提言します。
併せて、がんの経時的推移・傾向から、長期的視野に立った将来的提案を致します。
秩父市の施策が発端となり、少しずつでも日本中に広がり、がんや生活習慣病についての
知識、自身の健康についての意識が変わっていくことを願っております。
    がん検診の改善と受診率の向上に対する提言
1,がん検診の改善
1) 胃がん検診の検査方法を ABC 検診(リスク検診)へ変更
2) 特定健康診査・健康診査に大腸がん検診(便潜血検査)を加える
3) 大腸がんの急増を考え、便潜血検査の検査キットの配布は、現状の保健センターの
みならず、管内医療機関、調剤薬局、公民館等、適切と思われる多くの施設での配
布を可能とする
4) 大腸がん(便潜血検査)のための市の予算の増額
2,受診率の向上および啓蒙活動
1)秩父市に「がん検診の受診率向上」の専門部署を作るか、保健センターの職員の増
強等を図ること
2)秩父市立病院に「がん対策および啓蒙」の専門部署を設置すること
3)秩父市の広報による啓蒙
4)秩父 FM ラジオによる広報
5)SNS による広報
6)市民レベルの啓蒙
7)市役所の職員の啓蒙
8)議員の啓蒙
10)医療者の啓蒙
11)がん患者およびその家族のへの啓蒙
12)即時、秩父市の事業としての「がん検診」の予算の試算を行うこと
13)対策型がん検診以外のがん検診(人間ドッグ等の任意検診・職場検診の推奨・啓蒙)
14) 専門医師・保健師による、乳がんの自己検診(触診)を習慣づけるよう啓蒙・指導
を行うこと
15)専門家(医師・保健師等)による講演活動を頻回に行うこと
16)がん罹患者・経験者・抗がん剤治療経験者、そのご家族等の体験講演を行うこと
3,将来に向けて
1)中学生を対象のヘリコバクターピロリ菌検査の実施
2)必ず、次年度に、市秩父の「がん検診の予算」を増額すること
3)肺がん検診は胸部CT検査とすること
4)子宮頸がん検診に対するワクチン接種を再検討すること
5)便潜血検査は簡便性を生かし、毎年 1 回 40 歳以上の市民全員に行うよう努力する
こと。
6)定期的にがん専門医と意見交換をすること
以上、本提言に賛同頂いた方々の名簿をそえて提出いたします。
医療法人花仁会秩父病院 理事長 花輪 峰夫

『がん死の撲滅 5』花輪理事長の独り言(第22報)

『がん死の撲滅』5
戦略と戦術、考えれば考える程、虚しさが募ります。
昨日今日思い付いたことではありません。私の医者人生で、なんと多くの手遅れの癌患者さんを診て来たかことか!
『早期発見、早期治療』は全国民の知る標語とも言えるのに、現実は全く違います。
自己管理、啓蒙、本当に難しいことですね。
昨年4月以来、可能な限り多くの方達に、講演やメール、様々な集まり、飲み会の席等で、癌の脅威や、がん検診の大切さ、現状の『5がん検診』のお粗末さ、健康のありがたさを訴えてきました。
知事様、首長様達、市町・県会議員様達、県・市の医療行政担当の方達。
医師会の役員と会員、医療関係者、勿論、当院の職員と家族にも『至誠』の気持ちで、お話しして来ました。
半分以上は
『笛吹けど踊らず』『馬耳東風』でしょうか?
特にダメな人種は、『私を含む医者達』です。他人、他職種はともかく、医者はその為のプロ、人の健康・病を治す、あるいは防ぐために生きて行くべき職業人です。
ああ、情け無い、情け無い!
正直、結論をだすのは、早すぎる事は分かっています。根気強く続ける事が必要である事も分かっています。
しかし、今までの経験、日本の政治や行政の体質から、私の願いが叶うには、
歴史的年月か、地球規模の衝撃が必要と思っています。少なくとも、私が生きている内には解決しないでしょう。
当院では、まず私から『普通のがん検診』を始めました。冬の内に職員と家族に広げます。
草の根運動は『根』の続く限りやって行きます。
政治家の選挙の公約に『がん死の撲滅』が競って入り、これが票に繋がるまでになれば、嬉しいことです。
そうなれば、行政も変わるでしょうか?
お役人様達も本当の自分の役割、使命に気付くでしょうか?前例主義、事なかれ主義では、一歩も前に進まないのです。夢、理想はありますか?生き甲斐は何ですか?
私の『言い過ぎ』とお考えの方は、是非ともご意見、ご反論を頂きたいと存じます。
コロナ禍を経験して、私は一つ、大事な事に気づきました。大きな可能性、逆転の発想とも言えます。
私の持論、『コロナ禍は地球規模の戦争あるいは災害です。しかし、新型コロナ感染症は、病気としての怖さは、癌と比べると比較にならない程の軽い病気です。コロナは正に社会的大災害なのです』
以下にその根拠を示します。
2023年1月29日  日本のコロナデータ
感染者累計(約3年間)3243 万4189人
死者累計 (同上)    6万7680人
一方、癌は
2019年に新たに診断されたがんは999,075例(男性566,460例、女性432,607例)
2021年にがんで死亡した人は381,505人(男性222,467人、女性159,038人)
2009~2011年にがんと診断された人の5年相対生存率は男女計で64.1 %(男性62.0 %、女性66.9 %)
※(国立がん研究センター)
コロナと癌、大雑把に死亡率まとめると
コロナ   0.18%=1000人に1.8人
癌      38% =100人に38人
です。
こんなコロナ感染症が、何故地球規模の大災害となり、人々がこれ程、恐れ慄いたのか!!
それは、様々な思惑によるプロパガンダのためであったからに違いないのです。
良い、悪いを言っているのではありません。
多くの人々が萎縮する程の恐怖と関心を持ったことに注目したいのです。
『逆転の発想』
癌に対する啓蒙は極めてむずかしい事です。恐らく、癌は日常に普通にあることなので、インパクトがないのでしょう。
だからこそ、突然ふって湧いたコロナ禍の今こそが癌の怖さを再認識する絶好のチャンスと考えます。地球規模の衝撃を利用しない手はありません。
4日前、宝登山の蝋梅を見て来ました。久しぶりに神社にお参りしました。
熊高の森、私も植樹したことがあります。
秩父神社のライトアップ、寒いけれど、綺麗でした。

『がん死の撲滅 4』花輪理事長の独り言(第21報)

『がん死の撲滅』4
帰りの新幹線の中で戦略を練っています。
温泉、昔、家族でよく泊まった『高半ホテル』ではなかったので、湯の花もなく、懐かしい匂いはなかったですが、バライティーに富んだ、良い温泉でした。
私は小さい頃、ここ湯沢の布場ゲレンデでスキーを習いました。季節民宿旅館『銀線』が私の小学校から高校生の頃の常宿でした。
ここの、世話になったおじさんとおばさんは何十年か前に旅立たれ、私と同年代であった若主人も、癌で逝ってしまいました。
お線香を、と思い旅館の前までゲレンデを歩きましたが、何故かそのままUターンして湯沢駅に帰って来てしまいました。
すみませんでした。
湯沢を出て、新幹線の窓から谷川岳がはっきりと見えました。慌てて、カメラを取り出しましたが、時、既に遅しでした。
10秒くらいで、トンネルに入ってしまいました。
何も戦略を書けないうちに熊谷です。熊谷駅でトイレに寄ったら、なんと秒差で秩父線に間に合わず。そんな訳で、昼食、駅でカレーを食べています。
目的達成のための戦略
1,がん検診受診率の向上
2,検診内容、精度の改善
3,そのための啓蒙
4, 1〜4を誰か、どの様に実行するか
秩父線、揺れが激しく、中々上手く書けません。目が疲れます。
今、私に時間はたっぷりあります。ゆっくりと行きます。
しかし、始めないと、少しでも前に進まないと、永遠に目的地に着きません。
何故か焦ります。
吉田松陰の名言「夢なき者に理想なし、理想なき者に計画なし、計画なき者に実行なし、実行なき者に成功なし、故に夢なき者に成功なし」
私には荷が重い、疲れますね。

花輪理事長の独り言(第20報)

今、越後湯沢にいます。『国境の長いトンネルを越えると雪国であった』のそこです。新幹線ですので、トンネルは短く、もう川端康成が見た世界、私が幼少の頃見た世界はもうありません。ただ、国境の山々の風景だけは変わっていないはずです。
それと、温泉の肌触り!湯の花。
絞りたて八海山で、丁度良いあんばいになって来ました。そろそろ風呂に入ります。
少し休んで、『がんの撲滅』の戦略に入ります。応援して下さい。

『がん死の撲滅 3』花輪理事長の独り言(第19報)

『がん死の撲滅』3
敵(癌)を知り、次は己れを振り返らなければなりません。
1,健康に注意を払っていますか
2,タバコ、肥満、運動、食事は?
癌も生活習慣病気の一つです
3,健診や人間ドッグを受けていますか?
4,健診結果を生かしていますか?
5,要精密検査を放置していませんか?
6,職場の一般健診や健康診断などは『がん検診』ではない、癌は見つけられない事を知って下さい
7,癌は若い人にもあり得ることを知って下さい。30代でもあるのです
8,日本では、日本人に多い癌に付いて、『5がん検診』として、肺がん、胃がん、大腸がん、乳がん、子宮頚がん検診を行なっています
9,しかし、検診の内容は約40年間、ほとんど変わらず、医学・医療の進歩を活かせていません。本当にお粗末です
10, しかも、この検診の受診率は、欧米が70〜80 %であるのに対し、日本は40 %代です。ちなみに、秩父市は日本の中でも最低レベルです。
※ 『5がん検診』内容、精度等の詳細は後日、説明致します。
私は『隗より始めよ』にのっとり、今日自身の、『普通のがん検診』をしました。
結構、面倒で、不安もあったり、多少の勇気もいるものです。
順次、家族〜職員、医療者から皆さんに広げて行きます。
癌との戦いに勝つには、個々の意識、危機感、あるいは、如何に、自身の生き方への関心を持つか?ではないでしょうか。
正直、今私が癌検診をするより、より若い人達がやる方が、どんなにか意味があり、役に立つことか!?
病院の蝋梅、やっと咲き始めました。明日は、長瀞の宝登山に行ってみます。

『がん死の撲滅 2』花輪理事長の独り言(第18報)

『がん死の撲滅』2
癌(敵)を知りましょう。
ヤツの性格は最悪です。
1,初期は、まったく痛くありませんし、かなり進んでも自覚症状がまったくない場合が多いです
2,症状が出た時、多くは手遅れです
3,つまり、本人には、まったく気付かれずに進行します。本当に嫌なヤツです
4,癌の広がり方は、周囲や(浸潤)、肝・肺・リンパ節などに仲間を作ったり(転移)、癌細胞をばら撒いたり(播種)して進行して行きます
5,癌の種類や年齢により進行の速さには差はありますが
6,いずれの癌も最期は悲劇的です
7,見つけ易い癌、見つけ難い癌があります
8,原因が分かった癌もあります
9,予防できるようになった癌もあります
『癌は痛く、苦しく、助からないもの』
の概念は捨てて下さい。
癌は初期は全く痛くも痒くもないのです。
『症状の無いうち、早く見つければ、癌は治ります』

『がん死の撲滅』花輪理事長の独り言(第17報)

『がん死の撲滅』
どうすればいいのか?
がんとの戦争ですので、『敵を知り己れを知れば 百戦危うからず(孫子)』が的を得ていると思います。
今回は、まず、現状での戦果(戦禍)を知ってもらいたいと思います。
1,日本人の死因のトップは癌
2,一生の内二人に一人は癌に罹患します
3,男性の四人に一人、女性の六人に一人
4,つまり、約五人に一人は癌で死にます
5,女性の死因のトップは大腸癌
6,男性の死因のトップは肺癌
ちなみに、日本の新型コロナ感染者の3年間の累計死者は6万4000人弱(2023 年1月17日現在)
日本人の一年間の癌死者数は概ね37万3000人(2018年・国立がんセンター)
癌との戦い、どう見ても負け戦ですね。
『早く見つけさえすれば、癌ではまず死なないのに!』

花輪理事長の独り言(第16報)

少し遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。
私も暮れから正月に、人並みにコロナ感染しました。人それぞれの症状がある様ですが、私の場合は、極めて軽症でした。
発熱はまったくなく、普通なら咽頭炎の診断が妥当です。乾燥で、喉をやられることは、私には、毎年のことてす。
しかし、暮れの一時期、当院の10床の感染病床は満床となり、一般病床にも感染者を収容せざるを得ない状況となり、『試し』の意味もあり、検査をしてみました。
結果、あくまで私見ですが、『コロナ、恐るるに足らず』です。
多くの入院感染患者さんや職員に感染予防のために検査をしましたが、全く症状のない、陽性者もあり、総じて軽症でした。
勿論、最近でも、感染者でお亡くなりになった方も複数おりますが、超高齢者か末期癌など、すぐに命に関わる原疾患を患っている患者さんが殆どです。

一方で、感染者は報道されている数の何倍、再感染を含めれば、何十倍になったいるのか?全くわかりませんが、すでに国民の多くが、既感染者であることは、想像に固くありません。
報道では、『コロナの死者が過去最高となった』などと言っていますが、私は、500人・600人の死者が多いとは思いません。
このうち、コロナ感染そのものが死因となった方は何人なのでしょうか?
亡くなった方達の年代は?
感染予防のため、注意を喚起することは当然ですが、可能な限り、正確で詳細な情報を国民に伝えるべきです。

この3年間の国のコロナ対策、よくやったと言うべきかも知れませんが、一方で、『情けない国』と思えたことも多々ありました。
方針、一貫性、指導力、説得力、ワクチン・治療薬開発、専門家と称する人達の、当たり障りのない発言。
日本独自のデータは取ったのでしょうか?
ワクチンはどの程度、何に効果があるのか?
医学的、科学的、統計的な研究はやって来たのか、やっているのか?
科学者としての医学者は日本にどのくらいいるのか?、研究者・研究機関はどのくらいあるのか?
私には見えません。

私どもには、現場の医療者として、少しの実体験から得た、 感想の様なものはあります。
ワクチンは重症化を防ぐは、そうだろと思っています。感染予防はなんとも言えませんね。
国としての研究と確固たる指針を期待したいと思います。
それでも、ロシアや中国などより良いのか?少なくとも、『決定』の速さや実行力に関しては、負けですね。
民主主義国家の良くも、ダメなところでしょうか。

さて、私の今後の仕事、次に進もうと思います。
昨年の『埼玉県医師育成奨学金免除指定病院の変更』『公民の差別の是正』については、私は、社会の常識と考えています。当たり前の事と思っています。
地域医療にとって、医師の偏在は重要な課題ですが、この制度の問題は、その中のほんの一部に過ぎません。
私にとって重要なことは、現場の意見が議会制民主主義のこの日本で、ルールにのっとり、行政に届き、反映されるか?であります。
期待して見守って行こうと思います。

『進行がんの撲滅』改めて
『がん死の撲滅』に取り組んで行こうと思っています。
何から始めるか?昨年来、いや、医者をやっている間中、考えて来ましたが、一応の結論に至りました。
『隗より始めよ』で行きます。

先ず、自分のがん検診から始め、次に、家族と職員。並行して、医師会の先生達に日本人のがんの実態と、現状のお粗末な『5がん検診』について、お話しして行こうと思います。
医師と言っても、専門科により、専門臓器以外のがんを診ることはほとんどないと思います。
勿論、昨年行った様に、行政や議員様方への訴えも必要と考えています。

秩父発、埼玉県から全国へ。
『早く見つければ、がんでは死なない』が行き渡れば、イイなー、と思います。
静岡県の家康を祀る久能山東照宮、タイムリーにも参拝して来ました。
昨年4月に東海道を歩いた時は、パスしましたが、今回は上りました。
金比羅さんに負けない位の長い階段、穏やかな駿河湾が、眼下に見え素晴らしい景色でした。
車で辿る東海道も良いですね。東名由比のパーキングからの富士山、中々でした。
桶狭間の古戦場はやはりパスしましたので、いつかは、車か、船で行ってみたいと思います。


花輪理事長の独り言(第15報)

今年、3月に医者としての仕事を辞めてからの今日までの9ヵ月、初めての『自由時間』に戸惑いながら様々な思いに囚われながら過ごしてきました。ルーティーンから解放され、患者さんの容態に自分の感情の100%が左右されて来た現実から解き放たれ、自ら望んだ環境を手に入れました。東海道を歩き、努めてコロナに挑戦し、かつ無視し、クルージングも釣りも、旅行も、以前より何故か、義務の様にやって来たかも知れません。
しかし、まだ手術をやらない自分を認められないでいます。何故、早く見つけさえすれば、ほとんど死なないはずの癌で、こんなにも多くの人が死ぬのか、何でコロナなんぞに人の心は萎えるのか。なぜ自分にウクライナに救急外科医として行く勇気がないのか?
75歳にもなって、自分も世間も見えません。
新鮮ではありましたが、何故か割り切れない一年でした。
多くの方達と知り合い、お世話になり助けられた一年でもありました。
ありがとうございました。
『進行がんの撲滅』来年は『がん死の撲滅』にタイトルを変更し、頑張ってみたいと思っています。

31 ~ 40件 / 全181件

プロフィール
秩父病院理事長 花輪 峰夫

秩父病院理事長 花輪 峰夫

人と人との触れ合い医療を実践し、患者さんから信頼され、スタッフが気概を持って、地域に貢献できる病院を目指します。

記事カテゴリー
月別バックナンバー

PAGE TOP

秩父病院