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花輪理事長の独り言

研修医の学会発表・論文

2013年11月16日(土曜日)に埼玉県県民健康センター行われた埼玉県外科集団会に日本医科大学付属病院より当院に地域医療研修できている初期研修医の田邉智英先生が学会発表を行いました。

演題は『当院にて経験した異所性子宮内膜症の2例』で司会者よりの質問にも適確に答え、「外科医として常に念頭に入れなければならない、貴重な症例提示」とのコメントを頂きました。

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 今年2月14日(日曜日)に行われた埼玉県医学会総会にて、日本医科大学付属病院の初期研修医の青山純一先生と埼玉医科大学病院の初期研修医の平田優介先生が発表した2演題が論文として埼玉県医学会誌に掲載された。それぞれ『画像診断にてfree airを認めた腸管嚢胞性気腫の2症例』『地域における高次救急施設での加療を要する重症患者への対応の実情』である。いずれも初期研修医の域を超えた立派な論文と思う。現在はそれぞれの大学で研鑽中の彼らに別刷を送付した。彼らが成長して行く上で、大きな財産と成って行くことを期待したい。

*論文はPDFにて閲覧できます。


埼玉県外科医会誌に下記タイトルを投稿しました

地域医療を支えるための当院の取り組み

多少おこがましいタイトルではあるが、『地域の患者さんが地域で十分な医療を受けられること』が私の願いである。残念ながら、いまだこの達成には程遠い状況ではあり、今後も見果てぬ夢となりそうであるが、少なくともこれらを意識し40年以上地域医療に没頭してきた。心筋梗塞や脳卒中は別として、消化器疾患の分野においては、多少とも地域外科医療を支えるための役割を果たしてきたと自負している。

来年の第114回日本外科学会定期学術集会のメインテーマは『地域医療と高度医療の連携』とのことで、当院は、地域医療関連セッション2 『地域外科医療を支えるための工夫』(公募・一部指定)に『地域外科医療を支えるための当院の取り組み』と言う演題を応募した。公募の趣旨は以下のようなものである。

(近年、一般外科医の減少が指摘され、特に地域医療崩壊が叫ばれる厳しい状況のなか、地方においても中央と遜色のない再先端の医療レベルを確保し、維持するために、様々な工夫が行われています。学生や若手医師の視線で魅力的な地域外科医療とは? 少ないスタッフで地域格差をなくすには? 手術症例の集約化は是か非か? 大学病院とは異なる、地域外科医医療を支えるための戦略と工夫を広く募集します)

当院の演題抄録の要旨を紹介する。

(近年の医学の進歩は著しく、より特化した知識と技術を備えた専門医が重要視されてきた。しかし、一方で、より広い領域に対処できる総合医の必要性も叫ばれている。当地域には大学病院のような全ての専門科がそろった総合病院はないが、地理的にも、生活・文化圏的にみても、可能な限り自院、あるいは地域内で対応する必要がある。高齢化は深刻であり、総合的診療能力と包括ケアのマネイジメント能力を持った臨床医の必要性も迫られている。このことは同時に、当地域がこのような臨床医の育成に適しているとも言える。地域外科医療を支えるためには、まず医師の確保である。当院で研修した初期研修医に行った今後の研修病院を選ぶ根拠に関するアンケートでは、第1に指導医がいること、以下、各種専門医の受験資格が取れること、症例数が多いこと、医療の進歩に遅れないこと等であった。これらを踏まえ、若い医師達に選ばれる病院を目指し、各種専門医取得を視野に入れた後期研修プログラムを作成した。昨秋にはプライマリ・ケア連合学会認定後期研修プログラムも認可された。中央と遜色のない医療レベルの確保のため、大学との人事交流を積極的に行うことも重視している。地域医療機関と高度医療機関、お互いが習得不可能な分野を補填し合う連携が必要である。当院では、いわゆるアッペ・ヘモ・ヘルニアや、穿孔等の緊急手術、消化器癌開腹手術等を若い外科医に経験してもらうと同時に、高度医療機関で行っている腹腔鏡手術等も積極的に取り入れている。また、開放病床の提供とオープンシステムを実践し、地域診療所の整形外科、脳外科等の専門医の協力を得て、教育および地域の医療レベルの確保に努めている)

外科に限らず、地域医療を支えるためにもっとも重要なことは医師と医療の質の確保であると承知している。このために、私どもに出来うる具体的な方法を整理してみた。外科医会誌で紹介させていただき、果たして日本外科学会に採用されるか分からないが、これらを基本として発表演題を完成させて行きたいと思う。

1、       医師の確保 : 若い医師達から選ばれる病院となるために

①    各種専門医取得を視野に入れた後期研修プログラムの作成

②    先進医療への取り組み (腹腔鏡下手術、内視鏡手技等)

③    一般外科医として多くの症例を研鑽できることをアピール

④    初期研修医の積極的受け入れと指導。(現在、埼玉医大・日本医大系列7病院の研修協力施設となっている) 研修医の積極的な学会発表の実践

⑤    大学病院よりの若手医師の派遣要請と派遣医師への指導

⑥    子育て中の女性医師の受け入れとブランクのある医師への支援、雇用

⑦    専門医、指導医の招聘、雇用

⑧    地元出身医師の積極的招聘、雇用

⑨    広報活動 広報誌(ちちぶ病院だより)・ホームページの作成

2、       医療レベルの確保

①    大学との人事交流(大学の専門医による専門外来の開設・腫瘍内科、乳腺外科、形成外科等。大学指導医による当院への出張指導等)

②    開放病床とオープンシステムの実践(地域診療所の整形外科・脳外科等の専門医による手術等)

③    医療の進歩に遅れないための技術、手術の導入

(1985年低位前方切除術、1990年胃切除後再建に器械吻合導入。1992年腹腔鏡下胆のう切除術。今年より腹腔鏡下胃切除術、早期胃がんに対するESDを開始)

④    常勤外科医のレベルアップ(専門医取得・学会活動を含む)

⑤    個々の医師の守備範囲の拡大(一般外科医あるいは総合外科医としての研鑽)

⑥    地域診療所専門医による各専門外来診療

⑦    月1回の医師会症例検討会への積極的参加

⑧    学会への積極的参加・論文発表等の学会活動

⑨    月1回開催の医師会外科医会での勉強会・講演会での研鑽

⑩    地域他病院外科医師への手術指導(院内および出張指導)

⑪    出来うる限りの学会認定修練施設の取得(日本外科学会・日本消化器外科学会・日本消化器内視鏡学会・日本プライマリ・ケア連合学会等)

 以上を分析すると「医師の養成・確保」「学会発表、地域症例検討会を初めとする学術活動」「新しい医療の導入」「医療連携」が地域医療を支える基本と考えられる。この内、『医師の養成』につき、私の考えを独断と偏見は承知の上で述べたいと思う。

『地域に役に立つ医師、求められる医師の育成』が最近の私の夢である。

最近、特に力を入れていることに初期研修医の教育がある。現在埼玉医科大学系列および日本医科大学系列の計7病院より2年目の初期研修医が当院に地域医療研修に来ている。この1年間の当院からの研修医の学会発表は5回を数えた。彼らがいると私のみならず病院スタッフ全体が活性化されると同時に、彼らに何かを伝えたいと思いが募るのである。これは、単に年寄医者のエゴばかりではない。地域医療の現場から眺める最近の医療の現状が、あまりにも偏った歪な型となってしまっており、何かを言わなければ、何かを伝えなければ大変なことになるという焦燥から来るものと感じている。地域医療の現場でこそ伝えることができるものがある。また、彼らから教わるもの、彼らとの触れ合いで気づかされることも数多くある。

 専門バカでなく、視野の広い医者・総合医を地域で育てたいと思う。

一口に総合医といっても様々な言い方、捉え方がある。家庭医、プライマリ・ケア医、救急医、総合診療医、総合内科医等である。私は総合医というからには、内科・外科系に限るものではなく、急性・慢性、あるいは初期医療やトリアージに限定すべきものとは思わない。厚労省は専門医制度改革に着手している。数年後には基本領域に内科、外科等と並列して『総合診療科』が加わるという。この総合診療科の目指すところ、すなわち国が養成しようとしている総合医は、在宅医療を担うための専門医と思われる。病院から在宅へ、治す医療から支える医療へ、地域で、多職種で患者と家族を支える包括ケア。そのリーダーシップをとる医者、マネイジメントの出来る医師の養成である。確かに必要なことと思うが、私には今一つピンとこない。

私の考えている総合医のイメージはかなり違う。簡単に言えば、『その地域に役に立つ医者』のことである。離島ならば、あのコトー先生が理想であり、秩父ならば、逆説的だが、専門バカでない医者であろう。私は当院に研修にくる初期研修医達にいつもこう言っている。彼らの多くはまだ何科に進むか決めてない者も多い。だから「まず、内科認定医か外科専門医を取ること。出来ればその両方。それから各専門医の道を進めば良い。時間はたっぷりあるよ。だって医者は一生の仕事だから」しかし、いまだ外科と内科の両方を目指すという私のアドバイスを実行した人はいないようである。若い時は気がはやるし、性格の向き不向きがあるから仕方がない。自分も早く一人前になりたいと思ったので、卒業後すぐに外科に入局したので気持は良くわかる。だからこれは医者を四十年余りやって来たからこそ思う、臨床医の一つの理想像と思っている。ただ、私の思い描く総合医とはそんなに難しいものではなく、もっとシンプル、昔ながらの『お医者さん』の姿である。頭痛は脳外科・神経内科、肺炎は呼吸器、高血圧は循環器、外科にしても総て臓器別各科へ紹介。子供のヘルニアやアッペは小児外科がやるべきもの、あげくは大学病院でさえ麻酔医がいなくて手術が出来ない、小児外科医がいなくなったから、子供のアッペやヘルニアが出来ないとなる。なんでこんなに面倒くさくなったのだろう。私の言うことは間違っているのであろうか。古いのであろうか。なるほど、私は今になって親父の背中を追いかけているのかも知れない。

平成26年3月8日 埼玉県外科医会学術講演会が開催される。秩父外科医会が担当であり、テーマを『地域医療における外科医と総合医』とした。日本外科学会のメインテーマも『地域医療と高度医療の連携』であり、日本外科学会が地域医療に目を向けてくれたことは、地域医療に従事している者として喜ばしいことである。できれば、単に紹介・逆紹介等の連携に留まらず様々な問題についての議論を期待したい。例えば、厚生労働省の医療費削減路線である効率化、役割分担という体の好い言葉に隠れ、彼らの言う医療供給体制の見直しに内蔵されている、地方医療切り捨てについて。あるいは私には学会の権威主義の表れでもあると思われる手術や高度医療の集約化等、その是非を真剣に議論する場となれば有り難いと思っている。地域医療と高度医療・日本の医療の正しい在り方、さらには専門医と総合医について、喫緊に議論、検討すべきというメッセージと捉えたいと思う。

過日、私は来年春の日本外科学会定期学術集会会頭の上本伸二先生に手紙をかいた。その理由は、現在検討されている新専門医制度のなかで、新たに基本領域として新設されるであろう、総合診療科(仮称)についてお願いしたいことがあったからである。総合医あるいは総合診療専門医がどういう医師像であるべきかは、多くの見解があり、今後十分な議論がなされるべきと思われるが、この研修プログラムの内容は内科、小児科、救急が必須であり、外科が必須となっていないことに違和感を持った。そこで、私は内科と同程度に一般外科の基礎があってこその総合医であると思うという私の考えを会頭にお伝えし、ご理解を賜りたく思った。そして日本外科学会がプログラムの作成に関与して頂きたいとお願いしたのである。光栄にも上本先生より、ご理解と前向な返信を頂いた。光栄に思っている。

私は医療が抱える臨床、教育、研究分野の中で、人を癒すという大きな意味において、地域の臨床医療が大学病院等の医療に必ずしも劣っているとは思っていない。また若い医師の教育や自己研鑽においても同様である。もちろんどちらが良いと競うべきものではないが、若い医師が成熟していく上で、地域医療の現場でこそ磨ける分野は大きく、地域医療と高度医療の現場がお互いを補填し合うべきものと考えている。

また、特殊な高度医療を除き、急速な医療の進歩の恩恵は特定の医療機関や地域、あるいは選ばれた患者のみが受けるべきではない。日本の医療全体の底上げこそ必要であり、患者および家族の立場に立った全人的、社会的、文化的な要素をも含有した医療がなされるべきである。さらに極端な専門志向の反省、あるいは総合医や一般外科医についての活発な議論が行われることを期待したい。


新しい医療の導入

平成25年4月に大野哲郎先生が当院に着任しました。大野先生は群馬大学医学部消化器外科出身で胃疾患を中心に診療、研鑽を積んで来た、新進気鋭の外科医であります。特に腹腔鏡下胃切除およびESDが得意分野の一つで、当院着任後もすでに噴門側胃切除術1例、幽門側切除術2例、早期胃がんに対するESD3例を行っております。

当院の医療の質と幅が大きく広がったことは、当院だけの問題ではなく、秩父の外科医療、消化器疾患の医療の充実につながることでもあり、嬉しい限りです。今後も当院の利点である、小回りの利くチーム医療と迅速な環境整備を進め、スタッフが一丸となって、地域医療の充実の一助となるべく努力していくつもりです。

秩父病院だよりonline 2013年秋 No.41をご覧ください。


当院における他職種の実習生

他職種連携、最近良く聞く言葉である。医療は多くのスタッフの連携が必要、すなわちチーム医療の重要性が叫ばれている。当院にも多くの実習生が来ている。特に夏休み期間中は多彩であった。

秩父看護専門学校

臨地実習は、年間を通じて当院での研修がある。1年生の病院見学程度のものから、2年生の慢性期、3年生の急性期の実習がある。当院の受け入れ態勢も看護学生実習指導者を毎年養成しており、計7名と充実してきた。私が主に関係するのは、手術患者の説明、麻酔、手術の解説や講義である。学校長を辞めて3年たったが、3年生は私が入学試験の面接、入学式の式辞をやったので、親しみがある。手術を見学している学生たちの目は真剣で美しい。

PA110692.JPG 初期研修医

当院では研修医は即戦力となる。彼らの知識は素晴らしく、何でも吸収したいという意欲は初々しくて好感が持てる。どんどん教えてあげようという気持ちになり、スタッフ全員が全力で指導している。何でも吸収したい者と指導したい者、とってもいい関係である。指導する立場の我々が活性化されて行くのであるから、若い人の力は素晴らしい。すでに3人が学会発表を行った。内2人は論文を作成した。11月の埼玉県外科集団会には今研修している日本医科大学初期研修医の田邊智英君が発表予定である。私を含む常勤医師達も刺激されて、来年の埼玉県医学会総会、日本外科学会学術定期集会に演題を応募した。私は5年間温めていた「当院の腹壁瘢痕ヘルニアの術式」をまとめたので、発表してもらおうと思っている。

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 救急救命士

 二次救急当番日に秩父消防の救急救命士が当院で研修している。救急車で運ばれてくる重症患者に対し、当院のスッタフと一体となった救命処置から一般救急外来の見学。救急患者の診断から治療に至る一連の流れを体験してもらっている。内視鏡をはじめ各種検査、主に全身麻酔下での手術の見学も行っている。秩父管内ではすでに30名を超える救急救命士が養成されたという。患者にとっても、救急病院にとっても重要な役割を担う救命士、適格なトリアージと高度な救急救命処置ができるよう、全員、個々のレベルをさらに高めて行ってもらいたい。

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 医療事務実習生

 今回は熊谷にあるアルスコンピュータ専門学校の学生が二人当院で実習した。いつもリクルートスーツに身を包み、礼儀正しい女の子達であった。事務部門の実習だけでなく、放射線科や人間ドッグ、病棟や手術室の見学、体験を興味津々な眼差しで取り組んでいた。初めての手術見学も倒れることなくしっかりと見学していたので、ほっとした。頑張ってほしい。

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P8290937.JPG 高校生、中学生の職場体験

 皆野高校、農工高校、小鹿野高校の生徒が職場体験に来た。11月には影森中学生が来る予定。中学生は患者さんに接する場所でなく、いわゆる職場見学、社会授業である。将来、彼らの仕事選びの際に何らかの役に立つといいと思っている。今回の職場見学が刺激になり、できれば医療、看護の道に進んでくれればありがたい。高校生はほとんどが看護師希望の生徒であった。当院の医療現場に触れて、その意欲が膨らんでいくことを期待したい。看護師不足対策はこの年代より始めて行かなくてはいけない、気に入ってくれただろうか。

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 管理栄養士を目指す学生

  今回初めて、女子栄養大学4年生1名の実習生を受け入れた。チーム医療の実際、糖尿病患者さんへの栄養相談の実際を学びたいとのこと。管理栄養士が病棟に出向き患者さんや他職種とコミュニケーションをとることで情報を得て、さらにカルテや検査データから患者さんの状態をアセスメントし適切な栄養管理、食事指導を行うという実践的な内容の実習に真剣に取り組んでいた。NSTカンファレンスへ参加したり、糖尿病専門医から講義を受けたり、薬剤師の業務体験もし、NST親睦会(暑気払い?)にも参加した。そして最終日「秩父病院に実習にきてよかったです」と話していた。将来は秩父地域の病院や福祉施設への就職を考えているという。管理栄養士も医療スタッフの一員として臨床の現場でどんどん活躍してほしい。

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 9月の症例検討会に県内大学の医療系学生が参加

9月30日に行われた症例検討会に多くの医師会の先生方の参加に加えて、埼玉県立学校の副学長の萱場一則先生以下、保健医療福祉学部の学生さん、埼玉医科大学、自治医科大学および明海大学の学生さん達が参加した。症例発表も多くあり、私は、来年の日本外科学会定期学術集会の『地域外科医療を支えるための工夫』のセクションに応募した『地域外科医療を支えるための当院の取り組み』という演題のお話しをした。その内容は当院で研修した初期研修医へのアンケート結果をもとにまとめたもので、以下の如くである。

当院のコンセプト

『地域の患者さんが地域で十分な医療を受けられること』

『地域医療に役に立つ医師、求められる医師の育成』 

1、       外科医師の確保 ・ 若い医師達から選ばれる病院となるために

①    各種専門医取得を視野に入れた後期研修プログラムの作成

②    先進医療への取り組み (腹腔鏡下手術、内視鏡手技等)

③    一般外科医として多くの症例を研鑽できることをアピール

④    初期研修医の積極的受け入れと指導。(現在、埼玉医大・日本医大系列7病院の研修協力施設となっている) 研修医の積極的な学会発表の実践

⑤    大学病院よりの若手医師の派遣要請と派遣医師への指導

⑥    子育て中の女性医師の受け入れとブランクのある医師への支援、雇用

⑦    専門医、指導医の招聘、雇用

⑧    地元出身医師の積極的招聘、雇用

⑨    広報活動 広報誌(ちちぶ病院だより)、ホームページの作成

2、       医療レベルの確保

①    大学との人事交流(大学の専門医による専門外来の開設・腫瘍内科、乳腺外科、形成外科等。大学指導医による当院への出張指導等)

②    開放病床とオープンシステムの実践(地域診療所の整形外科・脳外科等の専門医による手術)

③    医療の進歩に遅れないための技術、手術の導入

(1985年低位前方切除術、1990年胃切除後再建に器械吻合導入。1992年腹腔鏡下胆のう切除術。今年より腹腔鏡下胃切除術、早期胃がんに対するESDを開始)

④    常勤外科医のレベルアップ(専門医取得・学会活動を含む)

⑤    個々の医師の守備範囲の拡大(一般外科医あるいは総合外科医としての研鑽)

⑥    地域診療所専門医による各専門外来診療

3、       その他

①    地域他病院外科医師への手術指導(院内および出張指導)

②    出来うる限りの学会認定修練施設の取得(日本外科学会・日本消化器外 科学会認定修練施設関連施設、日本消化器内視鏡学会)プライマリ・ケア連合学会認定総合医研修プログラムの申請

③    月1回開催の医師会外科医会での勉強会・講演会での研鑽

④    月1回の医師会症例検討会への積極的参加。学会活動、論文発表 

県内学生との交流

さかのぼって、平成25年9月1日、埼玉共済会館で、埼玉県の4大学、埼玉医大、防衛医大、明海大学、埼玉県立大学の学生達より依頼を受け、『医療と福祉の連携・、多職種連携』という内容の講義を行った。50人近い学生たちの参加があった。

超高齢化社会に備えて、学生たちが社会保障(包括ケア・医療スタッフの多職種連携等)に大きな関心を持っていることを知って感心した。遊んでばかりいた私の学生の頃と比べると雲泥の差である。大変勉強になった。しかし、若い人はもっと子供っぽい方が良いとも思った

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菜園紹介

当院のひまわり。ちょっとお疲れ気味。その正面にはとうもろこし。そして、写っていないけど、すいかもたくさん収穫できた。

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病棟の中庭のひまわり。よくみると、太陽を見ているのではない!!いろいろな方向を向いてるぞ!おもしろい事になっている

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ヘリポート周辺の百日草。今が花盛り。本当に長い間、咲いている。

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清涼

当院の噴水・・・。 なかなかのものです。

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研修医の先生が学会発表しました

2013(平成25)年6月29日土曜日、東京大学山上会館で開催された、第829回外科集談会において、埼玉医科大学国際医療センター初期研修医の細田隆介先生が、当院の症例を発表しました。演題名は「左鎖骨上窩リンパ節・脳転移を認めた大腸癌の1例」です。細田先生は3か月間、当院にて実に熱心に地域医療研修を行いました。彼にとっては初めての学会発表でしたが、堂々と落ち着いて発表できました。当院にとっては、研修医の発表は3人目であります。初期研修医の時点で、自ら症例をまとめ、文献を検索し、発表演題を完成させ、学会で発表するという一連の作業は、彼らの今後の医師としての成長に必ず役に立つと思っています。当院で研修する若い先生方には、今後も可能な限り、多くの学会に参加してもらいたいと考えています。

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地域医療を担う医師の育成

『地域医療を担う医師を地域で育成したい』現在の私の夢です。私の医師人生の最終目標にしようと思っています。振り返ってみますと、幸いにも、当院は結果として地域医療を担う医師を育てて来ています。常勤医として当院に勤務した6名の先生方が、地域医療の実践を習得した後、新規に開業、あるいは医院を継承し、現在は秩父地域医療の中心的役割を担って頂いています。また、この二十数年来、埼玉医科大学等から常勤医20名、非常勤を合わせると40名を超える若い先生方が当院に派遣されており、生の地域医療を研鑽しつつ、当地の医療に貢献して頂いています。

 最近では、新医師臨床研修制度の発足以来、埼玉医科大学、日本医科大学系列の計5病院より、すでに40名を超す初期研修医が当院にて地域医療の研修を行っています。実は、彼らとの触れ合いを通じて、私自身、多くの事を学び、活性化され、改めて指導する喜び、冒頭の「夢」を再認識した訳です。

 とはいえ、夢を実現するためには、若い医師達に当院に来てもらわなくては始まりません。どうしたら彼らに来てもらえるか、真剣に考えています。当院で研修した初期研修医たちに「今後、何を根拠に研修病院を選びますか」と尋ねました。以下がその答えです。

 ○指導医がいること ○学会専門医の受験資格が取れる事 ○症例数が多いこと等、自身のキャリアアップへの要望が主体であり、○環境・余暇・余裕 ○給与 等でありました。

 これらを踏まえ、若い医師達に選ばれる病院を目指し、昨年末よりは、日本外科学会、日本消化器外科学会、日本消化器内視鏡学会、日本消化器病学会の各専門医取得を視野に入れた、後期研修医の募集も始めました。現在、日本プライマリ・ケア連合学会の総合医(家庭医)の研修プログラムを準備中であります。

 今年4月より、内科に日本医科大学名誉教授の芝﨑保先生、外科に多くの学会の専門医・指導医の資格を持つ大野哲郎先生が着任し、指導体制はさらに充実しました。

 私の医師人生もそろそろリレーのバトンタッチゾーンに入り、必然的に後継者を育て、病院としても個人としても、次のランナーにバトンを渡さなければなりません。今後5年から10年間をその期間と据え、全力で地域医療を担う専門医、総合医を育成して行きたいと考えています。


当院に咲く花々

この時期、当院では色々な花が咲いています。もう咲き終わってしまったものもありますが、これから咲くのもまだまだあります。

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総合医についての私見

総合医についての私の思うところは秩父病院だより2012年秋N038号に書いた。私の視点は、地域医療の現場から「地域に求められるお医者さん」を想定した結果、総合医に至った訳である。

最近の情報によると、厚生労働省の「専門医の在り方に関する検討会」(座長:高久史麿・日本医学会会長)の第15回会議が1月18日に開催され、2013年度に専門医の認定等を行う第三者機関を設立し、新たな専門医制度は2017年度から開始するスケジュールが示され、この中で、基本領域専門医に『総合診療専門医』(仮称)が加えられるとのこととなった。現在、日本専門医制評価・認定機構の中で、内科、外科、小児科、救急医学、病院総合診療医、プライマリ・ケア連学会と日本医師会が一緒になったワーキンググループがプログラムを検討中とのことである。

 今までも、大学等に総合診療科はあったが、スタッフは各科の専門領域から集められた専門医で構成され、その役割は各専門科の集まりである大学病院等のシステムの中での、初期医療やトリアージの機能、あるいは複数の専門科にまたがる患者や境界領域の患者を、科として診ることがその役割であったように推察する。この中に個人の総合的能力がその専門性という概念は希薄なように思われる。あくまで組織のなかでの潤滑油的、コーディネーターの役割であると言えるのではなかろうか。そんな中にあって、私には一つの疑問があった。それは、「従来の総合診療科に入局した若い医師はどのような専門医の資格を習得できるのであろうか」ということである。今回の『総合診療科専門医』が認知されればその懸念はなくなることになる。このことは、初めて総合診療科のアイデンティティーが確立されることを意味する。

 さて、総合医という専門医が必要となった背景を考えてみる。一つには極端な専門医重視による弊害が再認識された結果であることは間違いない。当然、新臨床研修医制度もその反省から生まれたものと認識している。

さらに、最近の国の施策を散見すると、その根拠がはっきりと見えてくる。文部科学省、厚生労働省の施策に『地域の医師確保対策2012』というのがある。この概略を紹介したい。基本的な考え方として「地域医療の確保のためには、文科省、厚労省の密接な連携の下、医師養成の現状や高齢化社会の社会構造の変化を踏まえた取組が必要。このため、医師のキャリア形成という視点に基づき、医師の偏在解消の取組、医師が活躍し続けられる環境整備及び医療需要の変化に対応した人材育成を行うとともに、医学部定員の増を行う・・・」

 具体的には

卒後地域で活躍できるキャリア形成支援 、超高齢者社会への対応として、複数疾患を抱える患者への対応、要介護者への対応、生活を支援する視点が必要 と述べ、○地域枠等による医学部定員の増 ○地域間、診療科間の偏在緩和 ○総合診療やチーム医療、在宅医療に対する教育の充実 ○総合的な診療能力を有する医師の養成 ○地域医療への貢献と医師としてのキャリア形成の両立 (若手医師が地域医療に従事しつつ、専門医等を取得できるように考慮した魅力ある専門プログラムの構築) ○地域医療を担う意欲と能力を持った医師の養成と確保等を上げている。これらを総合的に考察すると、国は地域枠で育成された医師の卒後の専門科に総合診療専門医を据えているとも考えられる。私はそのことは決して悪い施策とは思わない。

 これらは正に『総合医』の必要性の根拠であり、時代の流れの中の必然の結果でもある。

 初めて、私の考えと厚労省の考えが一致したようで嬉しい限りである。

 一つだけ注文がある。総合医はそれでも得意分野を一つ以上持ち、同時にその学会の専門資格を取得すべきであると考える。それは人間の背骨のようなものであり、総合医という専門医として、自他ともに認める自信に繋がると考える。総合医は単科の専門医の上を行くものでなければならないと願うのである。

 昨今のアベノミクスにおける今後の医療政策も、高度先進医療の充実、輸出と並行して国民の安心安全確保の為、地域医療の重視という方向性を強化して行くことを願っている。


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プロフィール
秩父病院理事長 花輪 峰夫

秩父病院理事長 花輪 峰夫

人と人との触れ合い医療を実践し、患者さんから信頼され、スタッフが気概を持って、地域に貢献できる病院を目指します。

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