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秩父病院ニュース

お知らせ

来年度(2020年)よりの当院の休日夜間の二次救急体制変更のお知らせ。

一昨年より関係各位にはお知らせさせて頂いている通りです。

 

1、2020年4月より土曜日の夜間、日曜日の昼間と夜間の二次救急輪番を辞退いたします。

2、水曜日の夜間は従来通り行います。

3、平日の昼間は従来通り、救急告示病院・二次救急病院としての体制を維持します。

 

4、変更の理由

①患者さんの利益を配慮 ②スタッフ不足 ③運営上の問題

解説

近年、医療は全く変わりました。特にこの10数年は激変と言えるでしょう。医療は進化し・専門特化しました。20数年前、心筋梗塞は医者も患者さんも家族も死ぬ病気と思っていましたが、今は違います。脳卒中の治療も進化し、今では迅速に治療すれば後遺症を残さないレベルまで来ました。一方で秩父地域は、残念ながらこれらの疾患に対して十分な治療ができません。患者さんにとって全国水準の医療を受けられることは当然の権利であります。

地域で対処困難な場合は、より早い高次医療機関への搬送こそ重要で、より緊急を要する疾患の場合は、地域内の二次救急病院等を経ない直接搬送がベストであります。

さて、この現状の中で、当院の夜間当番医体制は一人体制であり、しかも夜間救急当番日でも一般当直を兼ねています。入院患者を診、救急外来を診、その上対処できない場合、転送先を探し、迅速に送り届ける。しかも、救急車に乗って行くこともあるのです。これでは迅速な搬送は困難であり当番医にとっては酷であり、なにより患者さんにとって不幸であります。

なるほど人員を増やせればこの懸念は解決しますが、医師を含むスタッフの確保はそう簡単ではありません。病院は入院患者がおり、365日24時間、医師が居なければなりません。常勤のスタッフのみでは救急当番はもとより一般当直も到底無理であります。従って当院の研修医OBや大学病院、医師会の先生方にも救急当番や一般当直を助けて頂いております。様々な努力とご好意、他よりの応援を得てかろうじてやっているのです。働き方改革など夢のまた夢であります。もちろん初期研修医がいる時は二次救急当番医の補佐をしてもらいますが、あくまで彼らは研修医であり、スタッフとして期待すべきではありません。彼らが居ない月もあります。秩父地域では私共の様な私的病院が夜間二次救急を担当することは、もはや無理です。このことは二次救急病院の激減を見ても明らかです。夜間救急は 不採算の医療です。この分野は公的資金をつぎ込めることが出来、スタッフも自治医科大学や地域枠の卒業生が優先的に来てくれる公的病院、自治体病院こそが、地域のインフラ整備、あるいは社会保障として担うべきと考えます。私共のこの決断が、行政、公的病院、医師会他、関係者が現状を直視し、正確な実態を認識をするきっかけとなり、多くの現実的な議論がなされ、ひいては、秩父地域の救急医療の改善になることを願うものです。

                                          院長 花輪 峰夫

 

 


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