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院長ブログ

「2021年7月」の記事一覧

新型コロナウイルス感染・第14報(2021年7月28日)

当院で行なった新型コロナウイルスワクチンの接種は、2021年7月28日現在、初回および2回目接種の合計が、11514回と1万件を超えました。

2021年6月6日に開始した、日曜日のドライブスルーによる3回の500人、4回の1000人接種、7月25日の500人接種が事故なく終了し、やや安堵しています。

今後も8月1日と8日の日曜日の500人(2回目)、および平日の接種を9月末まで予定しています。

ドライブスルーの1000人接種では梅雨、テントが飛ばされそうな強風と豪雨、猛暑と、毎回辛い状況がありました。予想外であったのは超高齢者の被接種者が自身で運転してくる方々が多く、常に事故の不安があり、私の気持ちは休まる暇はありませんでした。スタッフの内、二人が熱中症になりましたが大事に至らず。幸い車の事故もなく終わりました。昼のお弁当が唯一の楽しみでした。スタッフにこんなつらい仕事を強いて良かったか?『疲れた‼️、二度とやりたくない‼️』が今の心境です。皆も同じ思いでしょう。

一方、今日本の状況は私の予想通り、悪化の一途を辿っています。私には、この原因がオリンピック・パラリンピック開催とか、緊急事態宣言の発出の時期とか、規制・自粛の要請の程度とか、目に見える要因のみとは思えません。悪化とは単に感染者の急増ではありません。人々の心が沈んでいく、あるいは若者の無責任があるとしたら、それこそが悪化の重大な原因の一つです。今、経済か感染抑制か?などと言っている暇はありません。社会が崩壊してはなりません。『私には、新型コロナウイルス感染症が、社会を崩壊させる程の重篤な病気とは思えません』何かがおかしい。政府も専門家のコメントもマスコミも、もっと状況を正確に伝えるべきです。不安をばかりを煽ってはいけません。

死者は何歳なのですか?基礎疾患はあるのですか?癌やその他の疾患との死亡率の比較は? 自分で自分の首を絞めている風潮が、マイナス思考が、たまらなく嫌です。

ワクチン接種はあくまで希望者は、その通りです。初めて開発されたものですから当たり前でしょう。しかし、新型コロナが発症して、1年7ヶ月が経過し、第5波の真っ只中、何度目かの緊急事態宣言が発出されている現在、個々の被接種者の意識に対する社会的コメントは、何かおかしい。今、感染者の主体は若者です。彼らがワクチンを打たなければ決してコロナは収束に向かいません。そのため、彼らに脅かしと、彼ら自身のメリットを理解させて、ワクチンを接種させようとしています。これは根本的に間違いです。ズバリ言います『自分の事のみを考えないで、他人のこと、家族のこと、社会のことを考えて下さい、もっと現状を直視し、当たり前の危機感を持って下さい』

今年の2月に初めてワクチンが接種された頃とは違います。一部の基礎疾患のある人を除けば、『ワクチンの副反応が怖いので接種はしない』は、私には無知、無責任としか思えません。

 

 

以下に当院での11514回のワクチン接種(全例ファイザー)の副反応等のデータと一般の関連データを紹介します。

対象  11514回の被接種者の内訳 約9000回(78%)は65歳以上の高齢者であり、内約70%は80歳以上の超高齢者でありました。

1、 接種後の観察時間中に明らかに副反応と診断件数した症例は5件です。(第13報で報告済み、以後無し)   0.05%以下

2、 内1例をアナフィラキシーと診断(第13報に報告済み)  0.01%以下

3、 予診票および問診の結果で、接種を中止した症例は2件です。(第13報で報告済み、以後無し)   0.02%以下

4、 接種前に被接種者から直接当院へ電話等でアレルギーおよびアナフィラキシーの既往の申告があった症例は23例(予診票のアレルギーのチェックは除く)です。内訳は蜂刺されによるものが12例、薬剤9例、食材1例(エビ)、不明1例です。蜂刺され症例の内1例はアナフィラキシーショックで当院に緊急搬送の既往がありました。この症例を含め、2例がエピペンを携帯しているとのことです。申告のあった全例に接種を行いましたが、初回・2回目接種後、観察時間内に副反応は発症しませんでした

5、 接種(モデルナ)の翌日以降の副反応発症のデータは、7月26日に厚生労働省から1万人当たりの発症件数が発表されました。接種部の筋肉痛、発熱、頭痛、倦怠感が主なものです。2回目に多く認められたとのことです。

当院の職員及び関係者、約150人(300回)に行った接種(ファイザー)の翌日以降に発症した副反応は、上記の結果とほぼ同じでした

6、 新型コロナワクチン接種によるアナフィラキシーショック死亡例は私の知る限りではありません

7、 日本医療安全調査機構の「注射剤によるアナフィラキシーに係る死亡例の分析」の提言の一部を紹介します。

①    アナフィラキシーショックはあらゆる薬剤で発症の可能性がある。複数回、安全に使用できた薬剤でも発症し得ることを認識する

②    造影剤、抗菌剤、筋弛緩剤等で発症の危険性が高い薬剤を静脈内注射(ワクチンは筋肉注射)で使用する際は、少なくとも、5分間は注意深く観察する

    薬剤投与後に皮膚症状に限らず患者の様態が変化した場合は、確定診断を待たずにアナフィラキシーを疑い、アドレナリン0.3mg(成人)をためらわずに、大腿前外側部に筋肉注射する

④    第1選択として、静脈確保やエピネフィリン1mgの静注は推奨されません。

 

繰り返しになりますが、現状ではワクチン接種を早く、大勢に接種する以外ありません。そして、ワクチンが足りないとすれば、その現状、地域に即した接種を臨機応変に行う必要あります。今は高齢者より若者、感染の機会が多いであろうと思われる職種、団体を柔軟に考え、あらゆる機会を捉えて接種するべきです。

7月28日、東京都の感染者が過去最多、3000人を超え、全国の感染者は9576人と1万人に迫る勢いです。

正確な知識と備えさえあれば、ワクチンは怖くありません。コロナも恐れ過ぎることはありません。オリンピックの日本の躍進は希望への光です。真の緊急事態の意味を全員が考える時です。有事に於ける心構えと正確な情報を根拠にした、個々の冷静な判断こそが求められます。

 

先日、一医療従事者の方から匿名でお手紙を頂きました。

院内メールで職員に知らせました。ただ嬉しくて涙が出ました。金メタルを取ったアスリートの涙、少しだけ似ているかも知れません?

感謝の気持ちを込めて、ご紹介させて頂きます.

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プロフィール
秩父病院院長 花輪 峰夫

秩父病院院長 花輪 峰夫

人と人との触れ合い医療を実践し、患者さんから信頼され、スタッフが気概を持って、地域に貢献できる病院を目指します。

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