秩父病院オンライン

2003年 秋 No.11

院長エッセイ
医療トピックス
連携病院紹介
院内委員会紹介
プチメール


院長エッセイ

第11回  秩父の医療について考える

秩父病院院長  花輪 峰夫
 最近、厚生労働省は地域完結型医療の重要性を提唱しています。これはその地域でどこまで治療できるか、遠くの医療機関まで行かなくて済むのか、でき得るならその地域内で完結(治療)することが望ましいという意味です。さて、秩父はどうでしょう。私はまだまだ多くの問題があると思っています。今回は、難病や特殊な疾患、高度先進医療を除き、ごく一般的な疾患について、秩父で治療できないもの、不十分なもの、について考えてみました。

 まず、第一に心筋梗塞、大動脈瘤に対するカテーテル治療や手術が挙げられます。次に婦人科、耳鼻科、皮膚科、眼科疾患については、専門の常勤医師のいる病院(20床以上の医療機関)がなく、各科の重症疾患や悪性腫瘍などの入院治療が十分にできないこと。また、放射線治療のできる医療機関がないこと。さらに最近叫ばれている小児救急についても、小児科の専門医が少ないことや、小児科の入院治療のできる病院は秩父市立病院だけであり、このため十分な小児救急体制がとれないことなどです。

 このような状況下で、実際秩父の患者さんたちの約40パーセントは地域外(大学病院等)に入院しているのが実情です。この数字(自給率)は県内の医療圏で最も低い値です。大学病院に診察やお見舞いに行くのに半日から1日を費やす秩父の地理的特殊性、それによる患者さんや家族の負担を考えると、地域医療に携わる者として残念でなりません。私はまだまだ秩父の医療の充実が必要だと考えています。

 それには厚生労働省のいう地域支援病院、つまり地域医療の中核病院で救急医療や比較的高度な入院治療、手術を専門に受け持つ病院が必要です。その中で心筋梗塞やその他の現在秩父で欠けている医療もカバーすべきです。しかしそれは一朝一夕には行きません。これらを行うためには、多くの人材や設備、多額の資金が必要です。ですから、ともかく現状でできること、私は秩父の医療機関全体がひとつの総合病院を形成すること、つまり医療連携しかないと思っています。


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医療トピックス

第11回 日帰り可能となった新たなヘルニア手術

秩父病院 副院長 山崎 達雄
▼小山教授と花輪病院長の手術風景

 成人の鼠径(そけい)ヘルニア(脱腸)は、筋肉が弱くなっているために生じるので、この部分の補強をしないと治りません。今までは弱い部分の上下の筋肉を縫い合わせて補強する方法が広く行われてきました。この方法では、もともと筋肉が薄いところを無理やり縫い合わせ補強するので、緊張がかかり力をいれると組織が切れて再発してしまうことも少なくありませんでした。

 しかし、最近、この弱い部分に細い糸で編んだ人工のパッチを当てる方法が行われるようになりました。この方法では、筋肉の緊張がないため、術後の違和感や痛みが少ないと言われています。

 鼠径部の解剖を熟知した外科医であれば、手術時間は約20分で、局所麻酔でも手術が可能であり、日帰りで手術を受けることも可能です。

 この度、秩父病院でもこの新たなヘルニア手術を導入するにあたり、わが国で最もこの手術を手掛けていらっしゃる埼玉医科大学消化器・一般外科Iの小山勇教授をお招きし、両側ヘルニアおよび再発ヘルニア手術の執刀をお願いしたので、ご紹介したいと思います。


●人工パッチの利用
ヘルニアが起こる部位(Hesselbach三角、大腿輪、内鼠径輪)を同時にカバー、補強できるので、あらゆるタイプの鼠径部ヘルニアの再発が防止できる。



▲(株式会社メディコン「バードクーゲルパッチ」カタログより転載)

▼人工パッチ

▼3cmの皮膚切開

▼パッチの挿入

パッチの間に指を挿入すると小さい創からでも容易にパッチを挿入できる。
▼パッチの固定

1針固定することでパッチと組織を安定させることができる。さらに縫合固定による疼痛の危険性も回避できる。
▼両側鼠径ヘルニアのできあがり手術創

▼小山教授と山崎副院長の手術風景

▼秩父病院外科スタッフ

右から2番目が小山教授、その右側が花輪院長、左側が斉藤助手、一番左側が山崎副院長


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連携病院紹介

第11回 岩田産婦人科医院

城谷誉子院長
 今回は岩田産婦人科医院の城谷誉子院長よりメッセージをいただきましたので、ご紹介します。
 岩田産婦人科医院は曾祖父である岩田丈五郎が番場町に明治36年に岩田医院を開院したのがはじまりとなります。秩父病院とのおつき合いは、私で4代にもなります。私は、平成13年より父の跡を継ぎ妊婦検診、分娩に携わらせていただいております。

 父の時代より秩父病院へは婦人科腫瘍の手術、術後の管理で大変お世話になっており、また微力ではありますが人間ドックの婦人科検診もお手伝いさせて頂いています。今後も秩父病院との連携により地域医療の役に立つよう努力していきたいと思います。

 婦人科への受診はためらう方が多いですが、できる限り気軽に受診して頂けるような環境をつくっていきたいと思います。



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院内委員会紹介

第2回 危機管理委員会

当院では危機管理委員会をはじめ、職員の教育や患者さまへのサービスに至るまで、幅広い分野で活発な委員会活動が行われています。委員会は11あり、全職員により構成されています。第2回目は危機管理委員会の紹介です。
 当委員会は、平成11年に故花輪吉夫前理事長(前委員長)の意により、「危機管理」に対する検討の場として設置され、現在では、院内医療事故防止対策を主な目的とし、西暦2000年問題、その他災害時の対策などにも検討を行ってきました。

 委員会は毎月1回開催され、事例の検討と対策、事故防止マニュアルの作成など、リスクマネージャーを中心に医療事故防止のための協議を行っています。また、職員を対象に定期的な勉強会の開催や、外部の研修会への参加など、職員の危機管理意識の向上に努めています。


危機管理委員会

委員長花輪峰夫
副委員長千島治、四方田克子
他委員17名
認定リスクマネージャー

(写真右=千島治、左=近藤和彦)
日本リスクマネージメント協会による「第1回認定リスクマネージャー」を今年4月に取得、医療事故防止活動を行っています。


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プチメール

今年も中学生が病院の仕事を体験

平成15年度も、秩父第一中学校の1年生5名が職場体験(仕事発見Day)として当院を訪れ、3日間介護の仕事を中心に職場体験をしました。今後の進路について役立ててもらいたいと思います。

(参加中学生)
大場みちる、黒沢舞、木崎千晶、宮窪鈴、荒船菜奈さんの5名
(対応者)
町田静江



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